六日市病院 地域医療実習
  • 病院外来受付のご案内
  • 記事アーカイブ
  • ブログカテゴリ
    過去の記事

六日市病院 地域医療実習

トップページ » 六日市病院 » 当院について » 六日市病院 地域医療実習

地域医療実習

はじめに

 地域医療とは『地域住民が抱える様々な健康上の不安や悩みをしっかりと受け止め、適切に対応するとともに、広く住民の生活にも心を配り、安心して暮らすことができるよう、見守り、支える医療活動』と定義されています。(梶井英治:自治医科大学地域医療学センター長)
我が国の現状として、今まで医師は命を救い、病気を治すことへ全力を傾けてきましたが、急速な社会の高齢化により慢性疾患に対する予防や介護、福祉の体制作りが十分でなかったために『寝たきり』の人が多く生まれました。
 その結果、介護力が不足し、老老介護や介護力不足から生まれる孤独死、老人虐待、介護心中、介護殺人などが世間でも問題提起されるようになりました。
 前記したようなことが日本全体で騒がれる前から、いち早く高齢化していたへき地ではへき地住民が充実した生活を送れるように、国は1956年から『へき地保健医療計画』を策定しへき地支援を行ってきました。へき地とは『交通条件及び自然的、経済的、社会的条件に恵まれない山間地、離島その他の地域のうち、医療の確保が困難である地域をいう。無医地区、無医地区に準じる地区、へき地診療所が開設されている地区等が含まれる。』と定義されています。しかし実際にはこの条件には当てはまらないですが、福祉や医療資源が乏しい地域は多くあります。当院が位置する吉賀町も同様です。
 例えば、多くの地域ではプロフェッショナルたちのボランティア精神に支えられています。今このときも、地域医療の灯を消さぬように頑張っている医師たちがいます。しかし、プロフェッショナルたちのボランティア精神に頼るだけではプライマリケアの理念の一つである『Continuity(継続性)』は担保できていません。このような地域医療の『今そこにある危機』を克服し、有効事例としてロールモデルにできればこれからの我が国での高齢化、また東南アジア、台湾、中国でも起こりえる高齢社会における医療作りの基礎となるでしょう。六日市病院も吉賀町行政と連携しロールモデルとなるべく日々進化しています。

地域医療が求める医師像とは?

地域医療では『地域に生きる人の日常性を維持する』、『地域に生きる人の非日常事態に備える』ことが重要と考えています。そのために必要なのはジェネラリストでありホスピタリストです。
ジェネラリストとは、一般的な病気の診断と治療、初期救急、適切な紹介、慢性疾患の長期管理、健康増進と疾病予防、チームにおけるリーダーシップ、全人的包括的医療を役割としています。
ホスピタリストとはさらにジェネラリストの役割に加え、教育(看護師、医療従事者)、管理(感染対策、労務)、経営(費用対効果の考慮、TQMやPDCAサイクルを用いた質の改善)なども行います。
当院は、外来及び入院施設、老人保健施設も兼ね備えるため、ジェネラリスト、ホスピタリストを養成できます。

当院での取り組み

ドクターヘリ

『初療(ER型救急)と慢性期の管理』

初療とは一次から三次救急まで対応し、自施設での適応と限界を理解し、適切な紹介および紹介先までの救命を行うことと位置付けています。初療を行う上で必要なことは、EBM、ガイドラインに基づいた診療はもちろんのこと、患者の症状を生理的に診断し、緊急度を見極め、解剖学的に全身診察を行い重症度の理解をしなければなりません。『今すぐ必要なのか』、『明日でもいいのか』を判断し、患者にとってベストもしくはベターな治療を行います。そしてそのためには、症例数の限られた地域医療ではOff the Job Trainingが必須です。
外傷救急への取り組み:JATEC、JPTEC、PTLS
内科的救急への取り組み:ACLS、PALS、FCCS
小児救急への取り組み:PALS、JATEC、PTLS
産科的救急への取り組み:BLSO、ALSO
慢性期の管理:栄養管理TNT、褥瘡管理、認知症ケア、緩和ケア教育プログラムPEACE(Palliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical Education)、IDATEN感染症セミナー
上記したようなOff the Job Trainingに加え、On the Jobでは上級医もしくは他院の専門医より指導をされ日々研鑽に努めています。

なぜ救急が必要なのでしょうか?

当院医療圏での救急要請は、内科的救急以外にも、『中国自動車道での深刻な交通外傷』、『自動車産業の工場(プレス、溶接、化学物質)からの三次救急になり得る重傷熱傷、中毒』、『一次産業(農業、林業、狩猟が周辺住民の生活のメインです)で起きた動物咬傷、蜂アナフィラキシー、多発外傷(転落、滑落、機械による事故)』などがあります。このような事案では現場救急が必要となりますが、島根県のDr.ヘリは要請から吉賀町までは40分から60分かかります。(広島市内へはヘリで10分!)最前の救命を考えますと、当院が救急への取り組みを行うのは当然となります。また、平成26年からヘリポートが設置され、Drヘリとの連携はさらに密となります。

周辺地域の医療資源を理解する

山陰(益田、浜田、出雲)だけではなく山陽への転院搬送も少なくありません。山口県であれば東部(岩国、徳山、山口)、広島県であれば広島市内の三次医療機関に詳しくなくてはなりません。
また当院を利用する患者は山口県岩国市錦町、広島県廿日市吉和からも来院されています。県境を超えた医療を日常的に行っているのが現状です。

最後に

当院は1981年に開設して以来、周辺地域の医療圏ではオンリーワンとなっています。そのため、院内、院外の危機管理(消防、警察との連携)、行政との関わり(周辺住民の健康教室、ケアカンファレンス)、社会医療法人における経営(自助努力を含めた永続的な医療提供に向けた取り組み)を周辺住民のニーズに答えながら変化し進化しつづけています。
職員は医療従事者、事務を含め地元出身者も多く、地元、しいては島根県の医療の灯を絶やさぬように、また地域医療での新たなロールモデルとなることを目指し日々の業務、システム構築に励んでいます。
このような当院での取り組み、雰囲気を感じて頂き学生の皆さんにもなにか変化をもたらせればと考えています。

医療と介護で地域を支える
Copyright©2018 社会医療法人 石州会 All Rights Reserved.