がんとは?
わたしたちの体にある肺、肝臓、大腸、血液などの全ての器官は細胞の集まりで出来ています。
細胞は必要な時に分裂・増殖し、必要でない時には分裂が止まる事によって体の機能を保っています。
しかし異常な細胞は必要でないときにも分裂・増殖を繰り返しており、増殖が止まる事がないため多数の細胞ができることになります。
この多数の細胞が固まりをつくったものを「腫瘍」といいます。
腫瘍の中でも良性腫瘍は体へ影響を与えることはあまりありませんが、悪性腫瘍は以下の特徴があり進行して体へ重大な影響を及ぼします。
- 自律性増殖:増殖が止まりません。
- 浸潤・転移:がん細胞が増殖することで周囲の組織や遠くの臓器に広がって行きます。
- 悪液質:がんのために体が衰弱します。
このように身体に悪影響を及ぼすことを悪性腫瘍といい「がん」といいます。
がん治療の種類
治療の種類 | 解 説 |
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外科療法 | がんそのものを外科手術で切除する局所療法です。 がんの治療法として最も基本的な治療法です。 手術でがんを除去しきれる場合に、ほとんどのがんが対象となります。 |
放射線療法 | がんの進行を遅らせたり縮小させるために、放射線を患部に照射する治療法です。 外科療法と併用して行ったり、患部を切除しないで身体の機能や形態を温存させるため行う治療法です。 |
化学療法 | 飲み薬や注射薬で体に取り込んだ化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑えてがん細胞を破壊する治療法です。 外科療法と併用して行ったり、転移している可能性のあるがんの治療に行ったりする治療法です。 |
免疫細胞療法 | 身体の免疫を担う本人の細胞を体外で大量に数を増やし、機能を増強あるいは付加した上で体内に戻して行われる治療法です。 新しい治療ですので行われている施設が限られています。 |
診断されたときに確認すること(目安)
自分や家族ががんになったとき、緊張と動揺のあまりに頭の中が真っ白になるという方は少なくありません。
相手(医師)の声は聞こえているし、言葉も理解できるのですが、自分の中で事実が位置づけられないという事です。
特に医師が色々な事を説明したにもかかわらず、自分の都合の良いように解釈してしまったり、自分が思い込んでいる通りに理解してしまったりという事が起こりえます。
更に医師は専門用語を交えて話を進めていきますので、そのようなときにはきちんと内容を理解・確認する事が重要になります。
まずは落ち着いてしっかりと医師の話を聞きましょう。
また、分からない事は積極的に質問するべきですし、医師の言葉が分からなければ素直に分からない旨を伝え、理解する事も大切です。
それでもやはり告知をされた時には、程度の差こそあれ、誰しも動揺してしまうものでしょう。
もしも本人が話を聞き、理解するのが難しい状態であれば家族がその話をしっかりと聞いて支えてあげることも重要です。
また一度の説明で分からない場合には、医師に再度説明と質問の機会をとってもらうのも良いでしょう。
とにかく落ち着いて医師の言う事を理解し、現状を把握して今後のがん治療(癌治療)の方針を決めるという事が、告知時においてもっとも重要な事といえるでしょう。
確認事項
癌(がん)の現状を把握するための確認事項
- 癌(がん)の大きさはどれぐらいか?
- 癌(がん)の進行度はどれくらいか?
- 治りやすい癌(がん)なのか?治りにくい癌(がん)なのか?
- 転移の可能性はどうか?
手術(化学療法・放射線療法)と告げられた場合の確認事項
- 手術(化学療法・放射線療法)をすすめる理由は何か?
- 手術(化学療法・放射線療法)を受けた場合の生存率はどれぐらいか?
- 手術(化学療法・放射線療法)のリスク(デメリット)はどのようなものか?
- 手術(化学療法・放射線療法)を受けなかった場合どうなるのか?
- 手術(化学療法・放射線療法)以外の治療法はあるのか?
参考:「がん患者の集い」癌と告知されたときのチェックポイント
がんの後遺症「話しにくい」「食べにくい」に対するリハビリ
がんの後遺症に対するリハビリテーションについて
がんの手術を受けると、呼吸機能が下がる、手足が腫れるなど様々な後遺症が出ることがあります。
手術後にリハビリをして後遺症を改善・軽減させるだけでなく、手術前からリハビリを始めることで後遺症を予防、軽減させることができます。
(六日市病院では手術を行っていませんが、前後のリハビリは行うことが可能です。)
また、手術後など痛くて苦しい思いをしている時に体操などの動きを覚えるよりもリハビリはスムーズに進みます。
当院では現在、がんに特化した専門的なリハビリ(がん患者リハビリテーション料の算定)は行っておりませんが、従来のリハビリによって後遺症を持たれた方に対応しています。
後遺症「話しにくい」「食べにくい」に対するリハビリについて
がんの手術後、声が出し難くなった(音声障害)、口の中の組織を切ってしまい喋り難くなった(構音障害)、物が食べ難くなった・飲み込み難くなった(摂食嚥下障害)。
このような方はいらっしゃいませんか?これらは手術等によって起こる後遺症の一例です。
このような方々に対して様々なリハビリテーションが行われています。
以下に代表的な検査・訓練を紹介します。
検 査
発声や発音に関わる器官(発声発語器官)の動作の評価や、X線を使った造影検査や内視鏡を用いて飲み込みの状態、喉の状態を観察します。
上部の写真の物品を使用して検査を行っていきます。
訓 練
発声発語器官の運動、発声方法、話し方の訓練や実際の食物を用いた飲み込みの訓練、食べ方、飲み込み方の指導を行っていきます。
上部の写真のように飲み込みの状態を動画で撮影します
後遺症へのリハビリに関するお問い合わせ先:070-5560-8400
当院で治療を受けておられる方は当院の主治医にご相談下さい。
他院で治療を受けておられる方はそちらの主治医にご相談下さい。